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【代謝の仕組み】ヨガは有酸素運動と無酸素運動どちらも使った運動だからダイエットにおすすめなんです!
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こんにちはSUAYヨガ認定講師のKAZUHOです。
ヨガ教室をしていると、皆さんそれぞれの目標や目的を持って日々ヨガに励まれています。
- ダイエットをしたい
- リラックスをしたい
- 身体の不調を改善したい
などその目的も目標も様々です。
今回は、この中でもダイエットをしたいという方からよくご質問いただく、有酸素運動と無酸素運動についてお伝えしたいと思います。
皆さんも、「ダイエットには有酸素運動が効果的だ!」という話をどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?
ということは・・・ヨガをするときも有酸素運動をおおく行えば、ヨガの運動効果も上がるのでは!?と考えませんか?
実に素晴らしい気づきだと思います!
今回の記事では、ヨガは有酸素運動なのか?という点と同時に、SUAYヨガが考える運動効果を高めるための有酸素運動と無酸素運動の関係をお伝えして行きます。
一歩踏み込んだ身体の仕組みをお伝えしますので、ヨガ初心者の方はステップアップに、ヨガ経験者の方は知見の拡大にお役立ていただければ幸いです。
ヨガは有酸素運動なの?
ズバリ答えは・・・
ヨガは有酸素運動にも無酸素運動にもなります!
ちょっと待って・・・ヨガは軽い運動を深い呼吸とともに行うから有酸素運動じゃないの?
と思う方もおられるかと思いますが、実はヨガと言ってもいろんな種類があるのです。
- 流れるようにポーズをとっていくもの
- 一つのポーズを長くキープするもの
- 瞑想を大切にしているもの
指導するインストラクターさんによって、その内容が異なる場合もあるでしょう。
つまり、一くくりにヨガは有酸素運動である、無酸素運動であると考えることは難しいのです。
ダイエットや運動を目的に有酸素運動としてヨガをしようと思ってらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんね。
そのような方もご安心ください、有酸素運動の効果を期待できるヨガもあります。
大切なことは、
有酸素運動と無酸素運動の意味を知り、本当にご自身に必要な運動は何なのかを自分自身で判断できるようになることです。
では有酸素運動と無酸素運動の違いについて詳しくお話ししていきます。
この違いを知ると自分のヨガの目的にはどちらの運動効果が必要かも見えてきますので早速見て行きましょう!
有酸素運動と無酸素運動の違いってなに?
有酸素運動と無酸素運動の違いを知るには、人間が体(筋肉)を動かすために必要となるエネルギーについて知る必要があります。
このエネルギーは私たちが生きている間、体の中で絶えず必要になるものです。
それはスポーツをしている時でなくても、眠っている間にも必要なものです。
エネルギーと言えば、学生時代に学校で勉強したような・・・
覚えてる!という方も、なんだったっけ?という方も少しおつきあいくださいね。
体を動かすためのエネルギーについて
私たちの体にはたくさんの筋肉があって、自分で意識的に動かしたり(随意運動)、私たちの意思とは関係なく動いたり(不随意運動)しています。
たとえば心臓は私たちの意思とは関係なく動き続けています。
呼吸や消化なども不随意運動です。
体温を調節したり、新しい細胞を作り出したり。
わたしたちの体は意識的に体を動かしている時以外にも、無意識のうちに活動し続けているのです。
体が常に活動しているということは、走り続けている車がガソリンを使い続けるように、わたしたちもエネルギーを使い続けていることになります。
では、このエネルギーはどこからくるのでしょうか?
エネルギーは体内のATP(アデノシン三リン酸)という物質が分解されたときに発生します。
わたしたちはエネルギーをATPという形で常に体内に蓄えていて、体を動かす時にこのATPを分解し、利用します。
- ATPを作って体内に蓄える
- ATPを分解する
- エネルギーを使って運動する
という流れですね。
ではATPの分解とはどういうことでしょうか。
ATPという物質はP(リン酸)を3つ含んでいます。(だからアデノシン三リン酸と言うんですね)
ATPが分解されると、P(リン酸)が1つ切り離されます。
この時にエネルギーが発生するのです。
この続きは、簡単なイラストで見てみましょう。
エネルギーを作る仕組み図解
①ATPは3つのP(リン酸)を持っています。(アデノシン三リン酸)
②ATPが分解されることで P(リン酸)が1つ離れます。この時にエネルギーが発生し筋肉を動かすのに使われます。
③P(リン酸)が1つ減ったATPは2つのP(リン酸)を持つADP(アデノシン二リン酸)という物質に変わります。
④ADPは再びATPになるためにいくつかの過程(ATPを作り出すしくみ)を経て再合成され3つのP(リン酸)を持ったATPになります。
イラストではADPにリン酸をプラスして再びATPを作り出していますね。
生きている限り使われ続けているエネルギー源ATPは常に作り出されなければいけません。
私たちの体にはATPを再合成したり産生したりするシステムがあります。
これがATPを作り出すしくみ(代謝)です。
代謝という言葉は耳にする機会が多いですよね。
代謝がいい、悪い、なんていいます。
では、このATPを作り出すしくみを見ていきましょう
体の中に蓄えられているATPの量はわずかで、すぐに不足してしまいます。
使い果たしてしまわないように、私たちは食事から取り込んだ栄養(脂質・糖質・たんぱく質)などから、ATPを作り出すことで、常にエネルギーを供給しているんです。
ATPを作り出すしくみは、何を使ってATPを作るのかによって3つに分けられます。
詳しく見ていきましょう。
エネルギー(ATP)を作り出す3つのシステム
1.ATP-CP系
体内のクレアチンリン酸を使ってATPを作るシステム
- すぐにエネルギーとして供給される
- 酸素を必要としない
- すぐに不足するから数秒~数十秒しかもたない
2.解糖系
体内の糖質(グルコース)を使ってATPを作るシステム
- すぐにエネルギーとして供給される
- 酸素がなくても作れる
- ATP-CP系より長持ち。
- だけどやっぱりすぐに不足してしまう
3.有酸素系
体内の脂肪や糖を使ってATPを作るシステム
- エネルギー供給までに時間がかかる
- 酸素が必要
- たくさんのATPを作り出すため長く供給し続けられる
「1」や「2」のシステムではすぐにATPを作り出しエネルギーを供給できますが、あっという間に足りなくなってしまいます。
「3」のシステムでは時間はかかりますが、たくさんのATPを作り出し長い時間エネルギーを生み出し続けられるのです。
そして、この「3」のシステムが、ATPを作り出すのに酸素を必要とするため有酸素系と言われるのです。
- 無酸素系 → 「1」 と「2」
- 有酸素系 → 「3」
「1」や「2」のシステムでエネルギーを作り出して筋肉を動かす運動を無酸素運動(早いけどすぐに不足。短時間しかもたない)
「3」のシステムでエネルギーを作り出して筋肉を動かす運動を有酸素運動(長時間続けられる)
というのです。
では実際の運動で考えてみましょう。
ヨガでの運動よりも、想像しやすい「サッカー」を例に無酸素運動と有酸素運動を見て行きましょう。
例えばサッカーの練習に参加させてもらったとします。
開始後すぐにダッシュでボールを追いかけることになり、相手と押し合いしながらボールの奪い合いをしている時はどうでしょうか・・・
「1」や「2」(無酸素運動)のシステムでエネルギーを作り出し動いていますがすぐに不足してしまいます。
きっと私はきつい!と感じるでしょうね。
もう無理だ!となるかもしれません。
この時、体は「1」や「2」のシステムでは間に合わず、急いで「3」のシステムでたくさんのエネルギーを作ろうとします。
「3」(有酸素運動)のシステムでエネルギーを作るには酸素が必要でした。
わたしは息が上がってゼーゼーという呼吸をするかもしれませんね。
こりゃもたないと諦めたわたしは、ダッシュするのをやめ、シュートのチャンスだけ狙おうとゴール前をスタスタ行ったり来たり。
呼吸も安定してきます。
この時、わたしの体は酸素を利用しながら「3」のシステムでエネルギーをたくさん供給しているため、いつまでも続けられそうな気がしてきます。
呼吸も安定しているでしょう。
このように1つのスポーツでも無酸素運動をしている時もあれば有酸素運動のときもあるということになります。
こんな風に考えると、今あなたがしようとしているヨガの運動が無酸素運動か有酸素運動かうっすら見えてきませんか?
サッカーのようなスポーツでは無酸素運動と有酸素運動を繰り返していますが、最初からゆっくりと安定した呼吸で最後まで一定の運動をするウォーキングなどは有酸素運動がメインになる運動になりますね。
「1」「2」「3」のシステムは実際には平行して行われ、互いに補い合っています。
すぐに不足してしまうクレアチン(「1」のシステムで必要)も他のシステムでATPを作っている間に再び準備され使用できるようになるのです。
どちらがメインの運動なのかということで大まかに無酸素運動か有酸素運動かを判別しているということですね。
では、ヨガでも関心が高いダイエットはなぜ有酸素運動が効果的と言われるのでしょうか?
ダイエットに必要なのは有酸素運動?無酸素運動?
ダイエットには無酸素運動と有酸素運動どちらが必要だと思われますか?
答えはどちらも必要です!
私たちの体の中でおこっているあらゆるシステムは全て必要なものなのです。
正しくは、必要だから無酸素運動と有酸素運動どちらも行えるということですね。
どちらかに偏ることなくバランスよく、無酸素・有酸素運動を行うことが体を正常な状態に保つには大切という事です。
有酸素運動がダイエットに効果的と言われる理由
では、有酸素運動にはどのような効果があるのでしょうか?
有酸素運動の時のエネルギーを作り出すしくみがポイントになります。
有酸素運動では「3」有酸素系のシステムを利用してエネルギーを作るんでしたね。
そしてこのシステムで利用されるのが主に脂肪でした。
ダイエットに有酸素運動が良いと言われるのは脂肪を利用してエネルギーを作り出すからなんです。
運動開始後に血中の脂肪が利用され、その後に体に蓄えられている中性脂肪を使ってATPを作ります。
内臓脂肪や皮下脂肪・・・燃やしてしまいたいですよね・・・
これが脂肪を利用してエネルギーを作り出し、長い時間の運動が可能な有酸素運動がダイエットに良いと言われる理由です。
ここで厚生労働省のホームページに書かれていることを載せておきますので参考にしてください。
有酸素運動には
・心肺機能の向上
・ダイエット
・高血圧に効果が期待されると言われています。
(厚生労働省HPより)
有酸素性運動は脂肪を燃料とするので、血中のLDLコレステロール・中性脂肪や体脂肪の減少が期待出来ますから、冠動脈疾患や高血圧などに効果があります。また運動そのものの効果として心肺機能の改善や骨粗鬆症の予防などが期待出来ます。
無酸素運動もダイエットに効果がある
では無酸素運動は必要ないのでしょうか?
無酸素運動で代表的なのは筋トレです。
筋肉量が増えることで基礎代謝は上がると言われています。
基礎代謝とは体温維持や呼吸、心臓など生きていくのに最低限、必要なエネルギーです。
無酸素運動で基礎代謝をあげるか、有酸素運動で脂肪を消費するか・・・
どちらかでいいのか・・・
厚生労働省によると
総エネルギー消費量(24時間相当)は、大きく基礎代謝量(約60%)・食事誘発性熱産生(約10%)・(運動や日常生活などの)身体活動量(約30%)の3つで構成されています。そのうち、基礎代謝量は体格に依存し、食事誘発性熱産生は食事摂取量に依存するため、個人内での変動はあまり大きくありません。総エネルギー消費量が多いか少ないかは、身体活動量によって決まります。
(厚生労働省HPより)
運動や日常生活によるカロリー消費量は全体の30%。
体温調節などの生命活動(基礎代謝)によるカロリー消費量は全体の60%。
基礎代謝のしめる割合は高いけれど、基礎代謝の変動はあまり大きくないため、運動などの身体活動が影響するということです。
有酸素運動・無酸素運動どちらも重要なんですね。
無酸素運動と有酸素運動をバランスよく行いましょう。
ここでもう1つダイエットに大切なこと。
それは、やはり食事です。
筋肉を作るのも、回復させるのも、カロリー消費に必要なのも、運動をするために必要なのも、栄養です。
SUAYヨガのレッスンで自分に必要な運動を知る
SUAYヨガでは無酸素運動・有酸素運動はどちらも必要と考えます。
偏らず両方を行うことをおすすめしています。
SUAYヨガのレッスンでは体の自然な動きに導くために必要な体のつながりを大切にしています。
歩く、泳ぐ、呼吸をする時にも体のあらゆる箇所は連動して動きます。
必要な筋肉を連動して動かせるということは、一部の筋肉に負担をかけずに体を使えるということに繋がります。
当然ダイエットなどの効果にも一部を使うよりも全体を使う方がその効果は大きく表れます。
そしてバランスよく体を連動させて動かせるということは、疲れにくい体を作ることにもなるのです。
SUAYヨガではこの”体のつながり”を導くための運動をします。
SUAYヨガの有酸素運動
まず怪我をしないために筋肉をあたためる動きからスタートし、体の準備ができたら、反復運動を行います。(有酸素運動)
体をつなぐために必要な筋肉をたくさん動かすことでより動きやすい状態にします。
例えば、太ももの筋肉やお尻の筋肉を使う《ヒップリフト》という動きです。
SUAYヨガの無酸素運動
次に少しきついなと感じるポーズをキープします。(無酸素運動)
例えば《プランク》です。
プランクは体のつながりが必要となります。
ヒップリフトの運動で太ももやお尻を上半身と連動させながら動かすことで、プランクがしやすくなります。
このようにSUAYヨガでは有酸素運動と無酸素運動を取り入れながら、一番大切な”体のつながり”を作るために、インストラクターは解剖学をもとにレッスンの内容を考えて指導しています。
人はそれぞれ体の使い方が違います。
SUAYヨガのインストラクターは、レッスンを通してお一人お一人の体を診断し、シェアしながら指導します。
自分を知る、どんな運動が必要なのか、そのためには何からスタートするべきなのかを知ってください。
とにかくきついことが一番効くと思っていませんか?
きつい運動をすれば効果出ると思うのは間違いです。
その工程が大事です。
ヨガを通して生徒さん自身が、
- レッスンを通して自分の体を知ること
- 身体の動きを理解すること
- 体を整え、疲れにくい体づくりができること
- 改善維持に向けて自走することができること
- 歪みの原因を見つけて正しい使い方を知ること
- ダイエットに大切なことは続けること
無酸素運動をするにしても、有酸素運動をするにしても、怪我なく続けることが大切です。
さあ、では運動しようと思って開始したものの、続かなかったり、逆に痛めてしまうこともありますよね?
あなたにとって必要な運動はなんでしょうか?
例え、ばお尻の筋肉ですが、お尻の筋肉は正しく使えていますか?
もちろん体重も気になりますが、お尻が下がってしまっては嫌ですよね。
年齢のせいでしょうか、運動をしているのにと思うことはありませんか?
それは運動の仕方を間違えている可能性があります。
なぜお尻の筋肉が重要なんでしょうか。
お尻の筋肉は体幹部の筋肉にも影響します。
もしかして、骨盤の歪みを引き起こしていませんか?
ダイエットというと体重を落とすことに意識が向きがちですが、姿勢により太って見えてしまっている場合もあります。
お腹がでてしまう理由のひとつはそこにあるかもしれません。
また、お尻の筋肉は股関節を安定させます。
お尻の筋肉を上手に使うことは怪我の防止にもなります。
股関節や膝、腰を痛めることなく運動を続けることが大切です。
いきなりお尻のトレーニングをしますか?
お尻の筋肉が使えない原因はどこにあるか知っていますか?
ヨガでダイエットをしようと考えたときには、有酸素運動、無酸素運動もどちらも大切です。
その前に大切なことは体を正しく使うということです。
自分自身(弱いところ。使いすぎていることころ)を知り、整え、正しく運動する。
そうすることが、ヨガを通して、バランスのとれたかっこいい体づくりや、疲れにくく太りにくい体づくりへとつながるのです。
SUAYヨガ・ルーシーダットン 認定インストラクター
SUAY箕面店・高槻店・茨城店など関西を拠点に多方面でSUAYヨガ認定講師を務める。「腰に違和感がある」「肩凝りがひどい」「お腹の力の入れ方がわからない」など、一人ひとり違うの身体の不調や使い方を丁寧にレクチャーをすることを目指し、習慣的に正しい身体の使い方の習得を助けるSUAYヨガの実践・指導を行う。