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【妊娠中にヨガを始めるメリットと注意点】安全で心地よいマタニティヨガのすすめ

妊娠中の身体と心をケアするヨガの魅力

こんにちはSUAYヨガ奈良・大和西大寺教室のYUKIです。

私はヨガ講師として活動する一方で、助産師としても妊娠中の女性たちのサポートを行っています。今回は、「妊娠中にヨガを行うことの魅力」についてお伝えするとともに、「なぜ助産師である私が妊娠中のケアにヨガを取り入れているのか」についてもご紹介したいと思います。

  • 妊娠中は身体の変化や心の不安がつきものこれらはヨガで解決できるのか
  • ヨガが妊娠中に運動として勧められる理由
  • 妊婦に特化したマタニティヨガとは(通常のヨガとの違いなど)

妊娠という『人生最大のchange(変化)をchance(可能性)に変えて楽しむ!輝く!ヨガ』を体感しませんか?

まず初めに、この度はご懐妊おめでとうございます!

私はヨガインストラクターでありながら、現在も現役助産師として臨床の場に立っています。

臨床というのは妊婦健診での指導お産の介助母子の入院中のお世話などを行っています。

リアルな現場では、マイナートラブルに悩まされている妊婦さん、体重コントロールに苦戦している妊婦さん、なんだか妊娠中常にしんどい、気分が晴れない…など様々な不調を抱える方がたくさんいらっしゃいます。

そしてお産の現場でも医学の進歩と共に、お産の在り方が変化しています。

母子は産む力・産まれてくる力を持っていると私は信じていますが、スムーズに進行しないケース、具体的には陣痛が弱まってしまう、赤ちゃんが上手く骨盤内を回れない、赤ちゃんの頭が下降しづらいなど現代のお産を物語るケースをたくさん経験させてもらっています。

だからこそ、妊娠中の身体づくりがいかに大切か、妊娠や出産がゴールではなく、快適なマタニティーライフは快適なお産・産後へ繋がると確信しています。

命を育む、命を産み出す土台作り妊娠中からのケアが大切なのです。助産師であるからこそヨガインストラクターをしている、ヨガインストラクターであるからこそ助産師を続けています。

なぜヨガが妊娠中に推奨されるのか?

妊娠中の推奨される運動が、

有酸素運動、かつ全身運動で楽しく長続きするものであることが望ましいとされています。

妊娠中望ましいスポーツは

  • ウォーキング
  • 水泳
  • ジョギング
  • エアロビクス
  • ヨガ・ピラティス
  • ラケットスポーツ
  • 固定自転車等

になります。18)

18) 日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会,産婦人科診療ガイドライン産科編.日本産科婦人科学会,東京,p115-117, 2017

以下の(表1)も参照できます。

表1) 日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会,産婦人科診療ガイドライン産科編.日本産科婦人科学会,東 京,p102-104, 2023

妊娠中にNGな運動

腹部に直接的な外傷を与えるものや落下のリスクがあるもの、接触による外傷性リスクの高いもの、過度な腹圧がかかるものは推奨されません。

具体的に、レスリングや柔道のような腹部へ過度な衝撃が加わるスポーツや走り幅跳びや棒高跳びのような全身へ衝撃が加わるスポーツ、バスケットボールやバレーボール、サッカー、ラグビーのような他の選手や周囲のものと激しい接触による外傷の危険性が高いスポーツ、ウエイトリフティング等のように過度に腹圧がかかるようなスポーツです。

有酸素運動”そして”楽しく長続きするもの”が私はミソだと思っています。

有酸素運動とは、酸素を取り込みながら筋肉を動かす運動。SUAY式HAPPYマタニティヨガではストレッチ要素だけでなく妊娠中の姿勢改善お産に役立つ必要な筋肉をしっかり使っていくので、お話ししながら笑いながら時には「ふぅ~効く~」と言いながら、楽しく身体を動かすことができます。

自分に合った運動方法で、『継続』することが大切になります。『継続』という精神力は、お産の時に自信になり非常に役立ちます。

通常のヨガとマタニティヨガの違い

通常のヨガとマタニティヨガはどう違うのか?そんなに大きくは変わりませんが避けるべき動きというものが出てきます。

妊婦さんは大切な命を育てるために腹部が大きくなっていくので、圧迫したり腹圧がかかり過ぎるポーズは出来ません。うつ伏せのポーズやお腹に無理に力が入りすぎるポーズは避けた方が良いでしょう。

また、妊娠が進行するにつれ増大する子宮は、仰臥位(ぎょうがい=上向き)になると腹部大動脈や下大静脈といった太い血管を圧迫するようになり、その結果、下肢の静脈還流が悪くなり低血圧になる仰臥位低血圧症候群が起こりやすくなります。

特に妊娠末期(妊娠28週~)ほど起こりやすいですが、子宮が増大する妊娠16週頃よりその可能性があるため、長時間仰臥位で行う運動は避けるべきであるとされています。

ということで、通常のヨガとの違いは、より安心・安全・安楽に受けられるのがマタニティヨガになります。

マタニティヨガのポイント

私が助産師ヨガインストラクターとして大切にしているポイントは、

①妊娠中は快適なマタニティーライフを!

マイナートラブルと呼ばれるものは必ずしもみんなに起きてくるものではないです。予防ができるものだと思っています。

妊娠中は、大切な命を守るためにたくさん身体が頑張ってしまいます。大きくなる子宮と共に重心の移動が起きたり姿勢のアンバランスさが出てきます。

そうなることで普段使えていた筋肉があまり使われなくなったり、逆に使われ過ぎてしまって、どちらも痛みの原因に繋がります。

腰痛や恥骨痛、むくみやこむら返りなども妊婦さんはよく起こりがちです。その使われ辛くなった筋肉や使われ過ぎて負荷がかかっている筋肉のアンバランスさの解決も目指しています。

快適な心身でのマタニティーライフは、安産へと繋がり、快適な産後生活へ移行できます。

②妊娠中の身体づくりは安産へと繋がる

どんな分娩方法でも皆さんが望まれるのはきっと”母子ともに健康で無事にお産が終えられること”そして”安産でありたい”ということ。安産って何でしょう??あなたの安産とは??

母子ともに健康に!が安産な方もいれば、分娩時間をなるべく短く!ということが安産の方もいます。安産の定義は人それぞれで良いと思います。

大事なのはお母さんの心身や、胎児(赤ちゃん)の準備が整えられているかどうか。スムーズなお産になるために骨盤を支える筋肉や姿勢を保つ筋肉などその方に必要な動きやケアをお伝えできるようにしています。

妊娠・出産に必要な筋肉を整える、出産に向けての体力・精神力づくり、体重コントロール、痛みや不快症状の緩和、リラックス、力の抜き方を予行演習できるなど、マタニティヨガはたくさんのメリットがあります。

妊娠中にヨガをするメリット

妊娠中のヨガをするメリットはたくさんあります!

世の中にはマタニティヨガのメリットがたくさん溢れていますが、私は現役助産師という視点で深く追求したいと思います。

<身体的なメリット>

①全身の血流が良くなり、母体・胎児に豊富な酸素や栄養素が巡ります

血流とは心臓から全身の血管を巡って血液が流れることです。血液には酸素や栄養素、ホルモンなどが含まれており、全身の細胞に届けたり、老廃物を排出したりする役割があります。胎児(赤ちゃん)は、お母さんの胎盤から必要な酸素や栄養素をもらって成長しています。胎児はお母さんの血流があってこそ生きられているのです。図1をご覧ください。

子宮壁にある子宮動脈がお母さんの血液で、そこから胎児に必要な酸素や栄養素、ホルモンなどの受け渡しが出来ているのです。

そして筋肉にも隅々まで毛細血管が通っています。図2をご覧ください。

筋肉はたくさんの束から出来ているのですがその間に血管が通っています。筋肉を縮めたり伸ばしたりを繰り返すことで筋肉内の血流も増え、筋肉自体も元気になり働きやすくなります。そして図3のように体内にはたくさんの血管が全身を通っており筋肉を動かしてあげることで周りにある血管も刺激され全身の血流が良くなるという仕組みになっています。

お母さんの血流が良くなることが赤ちゃんにとってどれだけ幸せなことか、そしてお母さん自身にも多大なメリットがもたらされることが分かりますね。

②免疫の低下を防ぐことができる

妊娠期間中はお母さんの身体が赤ちゃんを”非自己”として認識しないように免疫機能が抑制され、免疫が低下しやすいと言われています。つまり感染症などにかかる可能性が高まってしまうという事です。

免疫細胞が正常に機能する体温は36.5度とされていますが、体温が1度上がると、免疫力は最大で5~6倍も上がるといわれています。平熱には個人差がありますが、体温が1度下がると免疫力が30%以上も下がるというデータもあります。

運動→筋肉が動く→運動中は、筋肉で産生されます。 この熱は血液に伝わります。

そして体温上昇→免疫upに繋がります。細菌やウイルスに負けない身体づくりに繋がるという事です。

③姿勢改善効果があり、マイナートラブルの予防や軽減に繋がる

マイナートラブルはたくさんあります。多くの方が経験するものと思われている方も多いと思います。

  • つわり(吐き気、嘔吐、食欲不振など)
  • 胸焼け
  • 肩こり
  • お腹の張り
  • 腰痛・恥骨痛・坐骨神経痛
  • 足の付け根の痛み
  • こむら返り、むくみ
  • 便秘、痔、下痢
  • 尿漏れ
  • 気分のゆらぎ など

例えば腰痛、なぜ起こると思いますか?

よく書かれているのは子宮増大によっていわゆる反り腰になり腰痛が起こる、骨盤の後ろのつなぎ目である仙腸関節が緩むためなどよく見かけると思います。

もちろんその影響もあります。人間には生理的な脊椎(骨)のカーブがあります。妊娠し大切な命を抱えていくとお腹が前にせり出すイメージが湧くと思います。

通常、腰は前にカーブしていますが生理的なカーブを逸脱してしまうと、普段よりも頑張らないといけない筋肉が出てきてお疲れ気味になり機能低下が起きます。

機能低下とは 血液とリンパ液の循環不良で疲労物質が蓄積し、筋肉内部の筋繊維が持続的に短縮します。力を抜いても、この部分の筋繊維が伸びず周りの筋肉と比較してコリコリした感触があるのが特徴です。

これを放置し続けると、痛み物質のプロスタグランジンなどが分泌され痛みが出現します。

腰のカーブが前だけでなく後傾気味になる場合もあります。

元々猫背気味である、スウェーバック姿勢(骨盤が前方へ移動し、上半身が後ろへ倒れた姿勢)など、この場合も同様で、生理的なカーブではないため周囲の筋バランスが崩れ痛みに繋がります。

妊娠3ヶ月頃より主に卵巣・子宮・胎盤からリラキシンというホルモンが分泌されます。

このホルモンは赤ちゃんがスムーズに骨盤内より出てこられるように関節や靭帯を緩める作用があります。

リラキシンの作用で妊娠中~産後数か月は仙腸関節や恥骨結合に可動性が生まれます。これは、いわば股関節の接続部が動きやすいがゆえに支持力としては不安定な状態であるとも言えます。

文献でも妊娠中の腰痛の約半数は仙腸関節部に痛みが限局しており、仙腸関節部痛は妊娠初期から認められると報告されています。(OstgaardH.C.,etal:Prevalence of back pain in pregnancy.Spine,16:549-552,1991.)

姿勢のアンバランスさは、肩こりや、足の付け根の痛み、足のむくみやこむら返りなど全身に不都合が出てきます。また血液の循環不全によって、胃痛やお腹が張りやすい、便秘・痔などのマイナートラブルも起こりやすくなります。

SUA式HAPPYマタニティヨガでは痛みや不調によって代償される動きや機能低下部位を推測してアプローチしていきます。

  • 凝り固まった筋肉をゆっくりと解きほぐしていく
  • 必要な筋肉を正しく動かす
  • 出産時にスムーズに動いて欲しい股関節周囲筋群を活性化させておく

など、たくさんの目的を持ってヨガを行っています。

そして妊娠中は重心の移動、姿勢のアンバランスさが生じてきます。これは図のように妊娠後期には約8㎏のお米を常に抱えている状態になるので、身体の中心軸がずれる可能性があることをイメージできるかと思います。

コマは中心軸がしっかりしていたらくるくると安定して回れますが、その中心軸がずれたり歪んだりしてしまうとバランスを崩して倒れてしまいますね。

痛みなく赤ちゃんとお母さんの姿勢を支える、骨や筋肉が快適な場所に居られるようにする、そしてそれが全身に良い影響を与えてその他のマイナートラブルの予防・改善にも繋がっていき、快適なマタニティーライフへとつながります。

④痛みの予防や軽減に繋がる

全身の骨や筋肉が快適な場所に居るということは、至適筋節長(してききんせつちょう)と言って筋肉が最大の力を発揮できる長さということになります。

必要な場所で必要な筋肉が最大限に力を発揮できると、おそらく痛みや不調がない妊娠生活が送れるのではないでしょうか。

そして痛みの緩和には温めるという方法があります。

冬場に寒さで肩が凝る、冷たいものを飲み過ぎて胃が痛い、お腹が痛いといったような経験はないですか?前述にもあったように運動することは全身の血液循環を促し体温を上げてくれます。つまり自家発電システムが働き、冷えて凝りや痛みになっている部分を温めて痛みの軽減ができるという事です。

実際に妊娠中に冷えやむくみ、循環不全を感じる時には、「中からも外からも身体を温めてくださいね」と助産師としてもアドバイスさせていただいています。中からとは飲むもの・食べるもの、外からは着るものなどで血液を温めるという事です。

SUA式HAPPYマタニティヨガは筋肉ポンプで血液を温めてくれて、かつ、身体を最適なバランスに保ってくれるように導いていきます。

⑤体重コントロールに繋がる

マタニティヨガのメリットとしては体重のコントロールにも役立つという点があげられます。

妊娠中はBMI(体格指数)に応じて適切な体重増加量が定められています。

BMIの計算方法はご自身の妊娠前の体重㎏を身長m²で割ります。

例えば

50㎏で160㎝であれば50÷1.6÷1.6=19.5

BMI=19.5の人の適切な体重増加量は妊娠前からお産を終えるまでで+10~13kgになります。

ということが割り出せます。

妊婦さんは食べづわり(常に食べていないと気持ちが悪い)やつわりが治まった後に食欲が増進する方が多くいらっしゃいます。ひと昔前は「お腹に赤ちゃんがいるから2人分食べなさい」と親世代から言われたりもしていました。しかし摂取カロリーが消費カロリーよりもオーバーしていたら体重が増えすぎる原因にもなります。

マタニティヨガ60分の消費カロリーは約200kcalになります。

消費カロリーとしてはそんなに多くはないですがヨガは基礎代謝を上げる効果を持っているので、妊娠中に下がってしまった代謝をアップさせて、脂肪を燃焼しやすい身体にしてくれます。

また、運動はエンドルフィンやセロトニン・ドーパミンなどストレスを緩和してくれる脳内ホルモンが分泌されるので食べ過ぎの防止にも繋がってきます。

⑥体力の維持・向上

厚生労働省の定義では、 体力とは、身体活動を行う能力に関連する複数の要素から構成され、その要素には持久力、筋力、バランス能力、柔軟性などがあります。

持久力、筋力が高いと生活習慣病の発症リスクが低くなることが明らかとなっており、運動を行ってこれらの体力を向上させることにより、生活習慣病を予防することが期待されます。

SUAY式HAPPYマタニティヨガでは今までにも述べたように、ストレッチ要素だけでなく

  • 妊娠中の姿勢改善
  • お産に役立つ必要な筋肉をしっかり使っていく

といったまさに持久力、筋力、バランス能力、柔軟性などの維持・向上に繋がります。

お産は初産婦さんで平均15時間、経産婦さんで平均7~8時間かかります。

それだけの時間を陣痛と共に乗り越えていくことになります。

それはフルマラソンを走り切る、もしくは富士山の登り降りをするくらいの体力とよく例えられますがその通りなのです。

体力がない状態でお産に挑むのと、今の体力を維持もしくは向上しておくことでは、実際のお産の経過も違ってくることが想像できるかと思います。そしてそれは産後の生活・育児にも繋がっていきます。楽しく動いて体力UPを目指していきましょう。

⑦自律神経が整う

自律神経には交感神経副交感神経があり、私たちの心身のバランスを正常に保ってくれている重要な機能です。

実際目に見えるものではないので、どこにあってどう働いているのか想像しづらい部分でもあります。

自律神経は脊髄(せきずい)という背骨の中に分布しています。

背骨は首から尾骨までたくさんの骨で構成されているのですが、今までに述べてきたように、妊娠中は重心の移動や姿勢のアンバランスさが生じて骨・筋肉の位置が崩れやすくなってしまいます。

それに伴って全身に貼り巡らされている神経の通り道も阻害・圧迫され、心身の指令が上手くいかないという、自律神経の機能を低下させる可能性があります。

図にあるように交感神経は『戦闘モードの神経』、副交感神経は『リラックスの神経』であり、この均衡が崩れると寝づらくなったり、呼吸が浅くなったり、イライラしたり逆に気分が沈んだりなど様々な不調が現れてきます。

妊娠中は、妊娠特有のホルモン変化により気分の変動が起こりやすくもなります。

妊娠中のホルモンについて知りたい方はこちらの記事がおすすめです。

マタニティヨガで妊娠中の不安を軽減「幸福ホルモンで整える心と体」>

SUAY式HAPPYマタニティヨガは有酸素運動で、ゆっくりじっくりと筋肉をより適切な方向へ動かしていくので、血流改善になり自律神経をつかさどっている視床下部(脳)に酸素や栄養がより巡ります。身体の動きが改善されると身体的なストレスが減り自律神経の負担も軽減、働きも良くなると考えます。

特に自律神経は背骨に集中して分布しているので、姿勢エラーがなくなると自律神経の指令も上手く伝わるようになる、そして運動するという事がストレス発散にもなり、ヨガの動きの中で筋肉の収縮と弛緩=ONとOFFを繰り返し行うので自律神経が整うという事に繋がっていきます。

自律神経が整う事は妊娠中が快適になるだけでなく、お産の陣痛中、陣痛の合間のお休みの時に上手く力を抜けリラックスに繋がっていきます。

お産は心身が緊張していたら、筋肉も硬くなり、必要な酸素も上手く取り込めなくなり、お産が長引いてしまったり、赤ちゃんが少ししんどくなってしまったりと様々な方面に影響を及ぼします。

上手く力を抜きリラックス出来ることは、陣痛の痛みを軽減・必要な時に筋肉を緩めてくれて、陣痛の合間に寝ることができ体力温存・赤ちゃんの通り道を柔らかくしてくれるなどメリットがたくさんあるのです。

助産師としても、その他生活の中で取り入れられる自律神経が整うアドバイスも交えながら楽しくレッスンをさせて頂いています。

                                       

⑧安産力が高まる

安産とは何でしょう?母子ともに安全に、お産の時間が短い、痛みが少ないなど、安産の定義は十人十色だと思います。

安産力とは、スムーズにお産が進行するための力と思ってもらってよいと思います。

初産婦さんのお産にかかる時間の平均が15時間、経産婦さんは平均7~8時間。どうしたらスムーズに時間内にお産を進められるのか?

それは3つの要素が大事になってきます。

3つの要素とは

  1. 陣痛+腹圧→命を産み出すチカラ
  2. 産道(骨産道+軟産道)→命の通り道のチカラ
  3. 赤ちゃんやその付属物(羊水・胎盤・臍帯・卵膜)→産まれ出てくるチカラ

この3つがバランス良く働いてくれるとスムーズなお産に繋がるのです。

1. 陣痛+腹圧→命を産み出すチカラ

マタニティヨガを継続的に行うことで血行促進=血流量の安定→豊富な酸素や栄養素が骨盤内へ行き有効な陣痛へと導いてくれます。

陣痛中に身体を温めるケアがあるのですが、上記の目的と痛みの緩和にもなります。

運動という自家発電システムで常に身体の内部から温かい状態でいられると、いざ本番!となったときにスムーズに技を出せるという効果が期待できます。

また、腹圧というのはお腹の中(腹腔)にかかる圧力であり、本来は常に身体の中に適切な圧がかかっています。それで体幹や姿勢を安定させてくれています。

しかし妊娠中は姿勢バランスや重心の不安定さが出やすいので腹圧を正常に保ちにくくなります。赤ちゃんを押し出そうとする陣痛に合わせていきむという動作の際に、上手く腹圧をかけられなかったり、疲労から陣痛が弱まりお産の時間が長引いてしまうという事もあります。

SUAY式HAPPYマタニティヨガでは、姿勢や重心の安定=腹圧のコントロールに繋げられるようなポーズや動きも取り入れより有益なケアを行っています。

2. 産道(骨産道+軟産道)→命の通り道のチカラ

そして血行促進は筋肉を動かしやすくしてくれるので、軟産道という赤ちゃんが通ってくる子宮や膣・外陰部など筋肉・皮膚でできているベットを柔軟にしてくれるという効果も期待できます。

また股関節周囲や呼吸筋に働きかけることで骨盤底筋群の動きも促されるので、最後赤ちゃんの頭が出て来る際にも上手く伸び縮みしやすくスムーズなお産へと繋がっていきます。

骨産道は骨盤なのですが、赤ちゃんは骨盤内を通って出てきます。骨盤や股関節についている筋肉を効果的に動かしてあげることで、骨盤=赤ちゃんの通り道を通りやすく整えてあげられるという事になります。結果、お産をよりスムーズに進行させ時間もより短く産み出せるという事に繋がっていきます。

3. 赤ちゃんやその付属物に関して→産まれ出てくるチカラ

付属物に関しては、子宮内の臍帯や胎盤などの位置を意識的に動かすことは出来ません。赤ちゃんが子宮内にどう入っているのか?が大切だと私は思っています。

赤ちゃんが産まれてくる向きは頭が下で、ぐっと顎を引いて頭の最小周囲径で出てこようとします。そして身体をぐるりと回しながら出てくるのですが、まず赤ちゃんがしっかりと骨盤の中に入ってきてくれているのかが大切です。

骨盤の中に入っているというのは、図のようにお母さんのお腹が真ん丸で赤ちゃんも骨盤内で上手く身を丸めている状態を想像します。

そうでない場合、例えば図のイメージで示したように骨盤内から赤ちゃんが前に移動した状態=尖腹(せんぷく)とも言われる状態になりやすく、赤ちゃんも骨盤内から前にせり出て正常な向きから逸脱してしまう可能性もあります。

そうすると、スタートの体勢や位置が違ってくるのでお産の進行にも影響があると考えられています。

お腹が大きくなってくると、腰の負担を軽減・お腹を支える・保温する目的で妊婦帯をされる方もいらっしゃるかと思います。SUAY式HAPPYマタニティヨガでは、その役割を自分の筋肉で補強できるように、ゆっくり楽しく動いて体幹や姿勢の安定を目指しています。  

妊娠中にヨガを始める際の注意点

医師や助産師への相談について

妊娠中、ヨガやその他の運動を始める前に妊婦健診時に医師へ運動の許可を取っていただけると安心かと思います。

自分自身では妊娠経過が何も問題ないと思っていても、妊婦健診結果によっては運動を控えておいた方が良い場合もあります。

例えば、切迫流早産傾向、高血圧、胎盤の位置異常、運動制限や安静指示のある方など。医師に確認しづらい場合は助産師や看護師に相談してみて下さいね。

適切な運動量とタイミング

推奨されている運動頻度が、運動習慣の少ない妊産婦は週2~3回で、1回の運動時間は60分以内を目安(心拍数で150bpm以下,自覚的運動強度としては「ややきつい」以下が望ましい)とされています。 (アメリカのガイドラインでは運動は毎日でもよいとされています。)

正常な妊娠経過であっても、子宮収縮は日常的に出現します。これまでの研究により、子宮収縮には日内変動があることや、陣痛発来には一定の周期性があることが分かっています。
その中でも、午前10時から午後2時頃は子宮収縮の出現頻度が比較的少ないとされており、この時間帯が妊婦さんの運動やスポーツに適していると考えられています。

無理をしない心がけ

前述にもいくつか掲載していますが無理をしない心がけが大切です。

  • 身体が硬いけど安産のためにここまで動かさなきゃ・・・
  • 先生みたいにポーズを取らないと・・・
  • 出来てないからもっとやらなければ・・・

というように頑張りすぎるという事は手放してあげましょう。

妊娠中は慣れない心身の変化に戸惑いながら適応している段階です。マイペースで大丈夫なのです。頑張りすぎると身体も心もバランスが崩れてきてしまうので、丁度良い真ん中を探しながら、継続を目指しましょう。

ヨガ中に気分が悪くなった、おなかが張ってきたなどトラブルを感じられた場合、すぐにお声がけください。

妊娠中は様々な身体的・精神的な変化がありますので、急に調子が悪くなってくることもあります。その点に関しては助産師として的確なアドバイスや工夫をさせていただくのでご安心ください。

マタニティヨガクラスを選ぶポイント

妊婦専門のインストラクターがいるか

まず信頼できるインストラクターであるかどうか。信頼関係は大切ですよね。

この人になら何でも相談できる、不安を表出できるなど、ヨガを行う以前にリラックスできる相手であるかどうかは重要です。

その中でやはり専門職というのは安心材料の一つになります。助産師、看護師、理学療法士など妊婦さんに関わっている人や運動療法に携わっている方。そうでなくても、妊婦さんに関する運動指導を長くやっておられる方や妊婦さんに対する勉強をしっかり学ばれている方が行うヨガが安心できます。

妊娠期間中は様々な心身の変化が訪れます。なぜそのようなことが起こるのか科学的な根拠を持って説明出来たり、的確な対処方法を提示してくれる安心・安全・安楽なインストラクターと出逢いたいですね。

マタニティヨガでよくある質問

Qヨガ初心者でも始めていいですか?

ヨガ初心者の方でも問題なく始めていただけます。

Qいつから始めていいですか?

妊娠15週以上~ご出産までの、妊娠経過が順調な方が対象となります。

Q止めるべき症状などはありますか?

切迫流早産傾向、高血圧、胎盤の位置異常、運動制限や安静指示のある方はご参加いただけません。

妊娠初期(妊娠16週未満)でも禁忌ではないですが、妊娠初期は出血やつわりなど不安定な時期なので無理のない範囲であればヨガをする方がリラックスやリフレッシュに繋がるので体調に合わせて実施頂けます。

Qどんな服装がいいですか?持ち物はありますか?

動きやすい服装、お腹を締め付けすぎない服装が良いです。

持ち物は、母子手帳とお水の持参をお願い致します。

Qオンラインでもマタニティヨガは受けてもいいですか?

大丈夫です。ポーズをとる際に妊婦さんはバランスが取り辛くなってくるので、転倒のリスクも伴います。壁を使う、補助道具を使うなどきめ細やかな指導や安全を確保してくれる教室やインストラクターをお選びください。

SUAYヨガ奈良・大和西大寺教室/マタニティヨガ教室

SUAYヨガ奈良・大和西大寺教室/マタニティヨガ教室の参加者様の年代層は20代~50代の女性が来られています。

妊娠中期の方~産後1年程の子育て世代の方が参加されています。

最近は子育てが落ち着いた40・50代の方も仲間入りされています。

とてもアットホームな雰囲気で、皆様「開放的な空間と自然光が差し込む温かい部屋で癒されます」とよくおっしゃってくださいます。

少人数制で皆様ざっくばらんにお話しされ、特に妊娠中や子育て真っただ中の方は同じ悩みや不安を共有され、誰かに話を聞いてもらうことで気分転換になりリフレッシュされています。

ヨガの時間は1レッスン60分、前後の着替えやお手洗いなども含めて1時間半くらいの所要時間です。

ストレッチ要素の内容から始まりしっかり準備運動をして、体幹やインナーマッスルと呼ばれる身体の深部の筋肉をしっかり動かしていきます。自覚的運動強度としては「ややきつい」以下で妊婦さんは動いていきます。

最後に

SUAY式HAPPYマタニティヨガでは安全なポーズに基づき身体の正しい使い方を知ることができ、正しい姿勢・快適なマタニティーライフへと導きます。そして妊娠中に起こりやすいマイナートラブルを予防・解消し、安産にむけての身体づくりに繋げていきます。

深い呼吸に合わせどなたでも気持ち良く出来るポーズばかりなので、初心者の方や身体が硬い方、運動が苦手な方でもお腹の赤ちゃんと一緒に楽しんで頂けます。

助産師ヨガインストラクターと共にリラックスして楽しく身体づくりをしていきませんか?ヨガの前後は、妊婦さん同士でお話したり、助産師インストラクターにも気軽にご相談頂けます。

マタニティヨガを通じて楽しいマタニティーライフをお過ごし頂けるよう願っています。

そして自分らしい、ステキなお産を一緒に目指していきましょう!!

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